老後の資金不足が叫ばれている現在。現在60歳までしか加入できない個人型の確定拠出年金(iDeCo)の拡充が検討されています。
節税メリットもかなり大きいiDeCo。あなたはこの制度を十分に活用できていますか?
今回は企業型の確定拠出年金(DC)との関係や退職後の移行方法についてお伝えしていきます。
現職で確定拠出年金(DC)を導入している場合
確定拠出年金は、金融機関が取り扱っている金融商品を選択し、運用次第で将来の受け取れる額が変動するといった制度です。
転職先でも確定拠出年金(DC)制度を導入していればそのまま移行できるのですが、
転職先によってはこの確定拠出年金(DC)がない場合があります。
その場合、以下の2つの選択肢があります。
①個人型の確定拠出年金(iDeCo)に移し替える
iDeCoに移し替えるメリット1掛け金が全額所得控除
個人型の確定拠出年金(iDeCo)は、掛け金全額所得控除され、毎年所得税の還付が受けられるので、翌年分の住民税が軽減されます。
iDeCoに移し替えるメリット2運用益が非課税
投資信託などで運用し、運用益が出た場合は、一般的には税金が差し引かれます。しかし、個人型の確定拠出年金(iDeCo)で運用したファンド(投資信託)などの利息、配当、売却益などで運用益が出た場合でも税金はかかりません。
iDeCoに移し替えるメリット3受取時も一定額まで税制優遇
例えば、60歳以降に一括で受け取れば、退職金と同じ退職所得控除が受けることができます。
iDeCoの商品タイプと選び方のポイント
現在、制度改正でイデコの加入年齢を65歳まで引き上げることが検討されています。若い世代は、失敗しても取り戻せる可能性のあることから、ハイリスク・ハイリターン型を選ぶのも一つの手段と言えます。50代になり老後資金が足りな空と言って、ハイリスク・ハイリターン型を選ぶことは禁物で、リタイア前の世代はバランス型やローリスク・ローリターン型など安全な運用を選ぶことが大切です。
元本変動型 | |
ハイリスク・ハイリターン型 (株式を中心に運用) |
資金にある程度余裕がある方向け。高い利回りが期待できるが、値下がりリスクも大きい。 |
バランス型 (株と債券に分散して運用) |
長期に運用したい方向け。60歳近くだとあまりうま味を感じることはできないかも。 |
ローリスク・ローリターン型 (国債などによる債券で運用) |
60歳時点で資金の余裕があまりない方向け。利回りは悪いが、元本割れの心配はほぼない。 |
元本保証型 | |
定期預金型 (定期預金に掛け金を拠出) |
上限額まで積み立てれれば節税のメリットはかなり大きい。自営の方におすすめ。 |
②企業年金連合会
企業年金はこれまでの職で積み立てていた企業年金を途中で脱退したときの受け入れを行っています。
0.5~1.5%の利率で運用し、65歳から年金として受け取ることができます。
しかし、注意したいことは新たに掛け金を出すことができないということと、退職後1年以内に手続きをしないといけないということ。
個人型の確定拠出年金(iDeCo)は新たに掛け金を出して変更することもできるので、
より資産を増やしたい方は個人型の確定拠出年金(iDeCo)がおすすめです。
あなたは「DC難民」じゃない?
転職後、確定拠出年金を採用していない会社に転職をしてそのままになっていませんか?こういう方たちを「DC難民」と呼びます。
また、個人型の確定拠出年金(iDeCo)へ資産を移す手続きをしないまま6カ月が経過すると、年金資産は自動的に国民年金基金連合会(国基連)に移されてしまいます。
この場合、受給可能年齢が遅くなったりなど、デメリット部分も大きくなります。
自動移管のデメリット
- 移管した資産は運用されない
- 受給要件となる加入期間に算入されない
- 資産から管理手数料が引かれる
「DC難民」になると、何十年もまったく運用せずに手数料を払い続けるのと、iDeCoに加入して税制のメリットを受けるのとではかなり差がつきます。
1度お金との向き合い方を見なおし、効率的に資産運用をする要因心がけていきましょう!