40代後半から50代にかけて募ることが多い早期退職
近年、電気機器会社や製薬会社、食品会社で早期退職の募集が増加しています。もし自分の会社が早期退職を募集し始めたら、どうすることが最善の策といえるでしょうか?
早期退職制度とは
会社の平均年齢が上がりすぎたため、若返りを図りたいという目的や、業績不振が原因で、「40代~50代」にかけて、早期退職を募集する企業が増えてきています。早期退職制度とは、退職金を通常よりも優遇する代わりに、自主退職を促すという制度です。
2018年だけでも早期退職を募集している企業は大手だけでもこんなにたくさんある
近年、早期退職を募集している企業は減少傾向にありました、2017年では、上場企業で早期退職者を募った会社は約25社で4,000人ほどの募集でした。ですが、AI(人工知能)の発達によって、これまで人力で担っていた業務も機会が肩代わりすることになると予想されており、みずほフィナンシャルグループにおいては、2016年までに19,000人もの人員を削減する方向でいることを明言しており、今後は早期退職者を募る企業は増えるだろうと予測されています。
[早期退職募集を発表した大手企業(2018-11-02現在)]
業種 | 企業名 | 募集人数 |
食品 | 日本ハム | 200人 |
医薬品 | アステラス製薬 | 600人 |
医薬品 | エーザイ | 100人 |
医薬品 | 大正製薬ホールディングス | 3,000人 |
医薬品 | サノフィ | 250人 |
IT | 富士通 | 5,000人(職種転換含む) |
IT | NEC | 3,000人 |
電気 | 東芝エネルギーシステムズ(東芝子会社) | 50人 |
電気 | 東芝インフラシステムズ(東芝子会社) | 50人 |
電気 | 富士ゼロックス | 10,000人(国内外合計人数) |
小売 | 三越伊勢丹ホールディングス | 800〜1,200人 |
企業が早期退職を募集した際に、「残る決断」と、「早期退職を受け入れる決断」をしなくてはいけません。それぞれのメリットデメリットを知ったうえで、もし自分が対象となった場合に決断をするポイントについて説明していきます。
会社に残る決断をした場合
早期退職者の募集があっても会社に残る決断をした場合。40代前半であれば、キャリア形成や事業再建に携わり、第一線で活躍できる機会もありますが、50代になってくると、定年も近づいてくるため、会社に与えられる役割や昇給に物足りなさを感じてしまうかもしれません。もしあなた自身が会社に貢献できていると自覚がある場合、同年代の同僚も退職していく中で、重要な役割を任される可能性もあります。また、ハローワークなどで掲載されている求人を見てみると実感するかもしれませんが、今の給料より低い年収のところが多いと思います。転職活動に踏み切ったとしても必ずうまくいくとは限らない場合もあります。
ただし、早期退職を募集するということは、会社にとっては「若返りを図りたい」ということも“理由のひとつ”であると覚えておいてください。
早期退職をする決断をした場合
早期退職を決断した人は、通常の退職金よりも数百万円〜数千万レベルで高い退職金を支給されます。ですが、目先の金額に目が行き、今後のキャリアプランを描いていないまま早期退職を申し込んでしまうと、再就職に時間がかかったりします。
40代以降の人が転職活動期間を長引かせると悪影響が大きい
早期退職を決断した後に、「退職日が決まってから転職活動を行おう」という考えで、すぐに転職活動に着手しなかった場合、次に応募すべき企業の目星をつけることから始まるので、かなりの時間がかかってしまいます。
転職活動が長引いてしまうと、高齢になればなるほど、採用試験を実施している企業から「この人はできない人だったのかな」と良い印象を与えることが難しくなってしまいます。
もし、早期退職をすることを決断した場合は、具体的な退職日が決まっていないとしても、すぐに転職活動に着手するべきです。
転職活動の方法
早期退職の希望は、たいていは急に行われるものです。その場合転職活動の準備が何もできておらずに焦って転職活動をすることで、「希望通りの職場に転職できず、年収が大幅に下がった」ということもよく耳にします。ですが、正しい転職活動の手順を踏むことで、40〜50代の方でも年収アップやキャリアアップの可能性が十分にあるのです。
早期退職を受け入れたからといってマイナスの評価にはならない
早期退職は、会社都合での退職となるため、これまで築いてきたキャリアを転職活動の面接で伝えることができれば、転職先の企業で必要な人材として受け入れてもらえる可能性が大きいです。例えば、さらなるキャリアアップや年収アップの可能性に挑みたい場合、40〜50代に強い転職エージェントを利用した転職活動も1つの手段でしょう。
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まとめ
減少傾向にあった早期退職者の募集も、今後は増加されることが予想されているため、いつどのタイミングで会社が早期退職者を募集したとしても焦らないようにしておくことが大切です。現在では40代以降の転職成功者も大きく増えており、40代に強い転職支援サービス(転職エージェント)も多く台頭してきています。(これらのサービスの特徴やおすすめのポイントは上記の記事でまとめてあります。)
会社に残った場合の将来性や、早期退職を受け入れて再就職に向けた転職活動をする力があるかどうかを天秤にかけ、自身の最良のキャリアを形成しましょう。