健康保険や年金の手続き、しばらく無収入になる場合は失業給付の申請を!
健康保険や年金は退職後の状況により加入する制度が異なるので、退職時には手続きが必要です。次の仕事が決まっていないときは、雇用保険から一定期間失業給付(基本手当)をもらえます。
雇用保険は、正社員だけでなく31日以上雇用の見込みがあるアルバイトなども対象です。自分は対象外と思い込まずにまずは確認をしてみましょう。
また、これまで給与から天引きで会社任せだった税金や社会保険料の支払いも、退職後は自分で納付しなければならないケースもあります。
退職した時にもらう書類
退職後のさまざまな手続きに必要なので、必ず退職前に会社に確認しておきましょう。
- 年金手帳(会社が保管していた場合)
- 雇用保険被保険者証(会社が保管していた場合)
- 雇用保険被保険者離職票(退職時に受け取る)
- 給与所得の源泉徴収票
- 退職所得の源泉徴収票(退職金をもらった場合)
手続き上、退社当日に間に合わない書類もあるので、その場合は郵送などで受け取れるように手配しましょう。 これらの書類は、転職先で提出が求められるので、失くさないように保管してください。
健康保険や年金の手続き
健康保険、年金は、退職後の進路によって加入する制度が異なりますので、自分はどの制度に加入する必要があるのかをしっかりと確認しましょう。
別の会社に転職
会社を退職後ただちに別の会社に入社する場合は次の勤務先で手続き
退職後にただちに別の会社に入社する場合、後述する社会保険や所得税・住民税の手続きを自身で行う必要はなく、転職先に必要書類を提出することによって、事業主が必要手続きを行うことになる。
通常、転職先に対して提出すべき主な必要書類は以下のものがある。
提出書類
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雇用保険被保険者証
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年金手帳
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健康保険被扶養者(異動)届(扶養義務がある場合)
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源泉徴収票
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印鑑
会社によってこの他にも書類などの提出を求められる場合があるので、入社前に提出書類の確認をしておきましょう。
無職または個人事業主
国民年金や国民健康保険への切り替え手続きを行う必要があります。国民年金は月単位で保険料を納めるため、空白期間が生じると未納扱いとなり、将来の受給額も減ってしまうため、早急に手続きをしましょう。
健康保険
健康保険被保険者資格喪失後に代替となる方法は下記の3つがあります。
※今回の無職または個人事業主の場合はa.b.の2パターン。
国民健康保険に加入する
期限 | 退職日から14日以内ただし、退職の日の翌日から14日を経過しても加入はできる。その場合の保険料は退職の日の翌日から計算した額を納付する必要がある) |
申請場所 | 住んでいる地域の市区町村役所 |
必要書類 | ①健康保険被保険者資格喪失証明書、離職票または退職証明書など資格喪失年月日のわかるもの。
②個人番号確認書類(マイナンバーカード等) ③本人確認書類(免許証等) ④印鑑 ⑤申請書 |
保険料 | 自治体により異なる |
メリット
加入条件などが特にない。
期限に関わらず加入することができる。
デメリット
所得によって保険料が高額になることがある。
扶養家族の制度がない。
任意継続被保険者制度を利用する
健康保険は、「適用事業所に常時使用されること」が加入条件となっていましたが、例外的にこの加入条件を満たしていない方でも引き続き健康保険に加入し続けることができる制度です。
条件 | 健康保険の被保険者期間が退職の日までに継続して2か月以上ある |
期限 | 退職日から20日以 |
申請場所 | 加入する健康保険組合。住んでいる地域の社会保険事務所。 |
必要書類 | ①健康保険任意継続被保険者資格取得申請書
②印鑑※扶養家族がいる場合には、被扶養者届などの書類も別に必要となる。 ※退職日が確認できる書類(離職票や退職証明書のコピー等) 提出すると、保険証が早期に発行される |
保険料 | 従来の2倍程度(保険料を全額自己負担することになるため) |
メリット
保険料に上限があるため、収入が高くても保険料を抑えられる。
扶養家族の制度があるため、家族がいる場合であっても保険料を抑えられる。
デメリット
利用できる期間に2年間の制限がある。
加入するための手続きがほかの手段に比べると若干厳しい。
被保険者の被扶養者となる。
条件 | 年収130万円未満など(扶養者の勤務先などに要確認) |
期限 | 退職後すぐ |
申請場所 | 扶養者の勤務先 |
必要書類 | ①健康保険被扶養者異動届
②世帯全員の住民票(被保険者と別姓の場合) ③源泉徴収票 ④退職証明者または離職票のコピー ⑤失業保険・傷病手当・出産手当・年金などの金額のわかる書類のコピー (受領している場合) |
保険料 | なし |
メリット
保険料がかからない。
利用できる期間の制限などもない。
デメリット
収入に制限がある
どの制度を利用したらいいの?
複数の方法が存在するので、どの方法をとるべきか悩む方もいるかと思います。被扶養者となるという方法をとることができない場合には、国民健康保険よりも保険給付の内容が手厚く、扶養の制度もある任意継続制度を2年間利用し、その後、国民健康保険に加入するという方法がよいでしょう。
年金
国民年金とは、国民年金法によって規定されている公的年金をいいます。日本国内に住んでいる⒛歳以上65歳未満の者は、すべて国民年金に加入しなければならないとされています。手続きをしないと、一定期間が過ぎたころにまとまった金額が請求されることもあります。2年以内であれば後納もできますが、きちんと手続きを済ませておきましょう。
国民年金の被保険者には下記3種類があります。
在職中は、厚生年金(第二号保険者)に加入していることになりますが、退職するとそれまで加入していた厚生年金から自動的に脱退することになります。そのため、退職して離職機関がある方は、第一号被保険者または第三号被保険者へ移行する必要があります。
※今回の無職または個人事業主の場合はⅰ.パターン。
- 第一号被保険者(自営業など個人事業主の方)
- 第二号被保険者(会社員や公務員の方など)
- 第三号被保険者(会社員・公務員に扶養されている配偶者の方など)
※退職後の離職期間がない場合は手続きは不要ですが、1日でも離職期間がある場合には、手続きを行う必要があることに注意しましょう。ただし、月末に退職し、翌月の途中で転職先に入社した場合、退職をした月の保険料はその月の給与から天引きされており、翌月の分は転職先の給与から天引きされるため、保険料を別途支払う必要はありません。
第一号被保険者(自営業など個人事業主の方)
期限 | 退職後14日以内 |
申請場所 | 市区町村役場の年金窓口 |
必要書類 | ①基礎年金番号を確認できるもの(年金手帳、基礎年金番号通知書等)
②退職日を確認できる書類(離職票、退職証明書等) ③本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証等) ④印鑑 ※保険料の免除を申請する場合は、失業していることを確認できる公的書類(離職票、雇用保険受給資格者証)が必要。免除の手続きそのものはいつでも可能。 |
保険料 | 月額1万6540円(2020年度) |
第三号被保険者(会社員・公務員に扶養されている配偶者の方など)
条件 | 20歳以上60歳未満であること。厚生年金保険に加入する配偶者に扶養されており、原則として年収が130万円未満であること |
期限 | 退職後5日以内 |
申請場所 | 事業所の所在地を管轄する年金事務所 |
必要書類 | ①続柄確認のための書類(被保険者の戸籍謄本、被保険者の住民票等)
②収入要件確認のための書類 |
保険料 | 不要 |
年金の免除
失業状態にある場合、申請をすれば年金保険料の免除を受けることができます。保険料の免除が承認された期間は年金の受給資格期間に算入されますので、免除の申請をするメリットは大きいです。免除の申請には期間制限もあるので、必ず免除申請をするようにしましょう。
結婚や学生になる等で家族の扶養に入る(所得制限内でパート・アルバイト)
会社を退職後ただちに別の会社に入社する場合は次の勤務先で手続き
提出書類
- 健康保険被扶養者(異動)届
- 国民年金第3号被保険者該当届(健康保険被扶養者届の3枚目)
- 年金手帳
- 印鑑
家族の健康保険に入る
保険料の支払いなしで保障が受けられます(家族の扶養に入る)。ただし、失業給付をもらっていると収入があると見なされるので、基本手当日額が3611円を超える人は入れません。
国民年金(第3号保険者)に加入
結婚していて配偶者が会社員(第2号被保険者)なら、第3号被保険者として保険料の負担なしで国民年金に加入できます。
失業給付金の申請手続き
失業給付を受けられるのは、すぐに再就職する意思があることが条件となります。(定年退職後も働く意思があれば受け取れます。)病気やケガなどで、すぐには働けない人、公務員を辞めた場合はもらえません。
step
1ハローワークで手続き
必要書類
- 雇用保険被保険者証(退職した会社から受け取る)
- 雇用保険被保険者離職票(退職した会社から受け取る)
- 個人番号確認書類 など
※住民登録している住所地を管轄するハローワークで手続きをする。
↓待期期間(7日間)
step
2雇用保険受給者説明会に参加
受け取る書類
- 雇用保険受給者資格者証
- 失業認定申告書
- 求職活動計画書(再就職が難しいとハローワークが認めた人)
↓1~2週間後
step
3初認定
※自己都合で退職した場合、初認定は受給なしで、失業状態の確認のみ。
↓1~3か月後
step
4第2回認定(初給付)
会社都合退職:約1か月後
自己都合退職:待期期間の後、約3か月後
その後も失業状態が続いていれば4週間に一度、失業の認定を受け、後日振り込みとなる。
求職実績が必要!
2回目の失業認定日前日までに下記回数の求職実績が必要です!
会社都合退職:2回
自己都合退職:3回