「どうしてこの仕事を選んだのですか?」という質問も比較的多くされる質問です。質問の対象となる人は、「異業種への転職を考えている人」や、「キャリアの浅い人」です。質問の意図としては、「長期にわたって勤務し、キャリア形成を図ってほしいため、興味主体での応募は避けてほしい。」、「仕事に興味を示してくれることはうれしいのですが、自分がその現場で働くということになった際に、仕事内容についてしっかりと理解しているのかを確認したい。」という意図があります。
異業種でも仕事への理解と意欲の高さをしっかりとアピール
漠然と「新たな分野でチャレンジしたいと思った。」、「自分自身の可能性を広げたいと思ったから。」という説明だけではもちろんだめです。転職しようと思っている職種に対する理解と現段階での知識、スキルが転職後にどのように活かすことができるのかをしっかりと説明しなくてはいけません。「この人は興味やあこがれだけで応募してきたな。」と思われた時点で、そのあとの挽回は難しくなってくる質問でもあるのでしっかりと対策をするようにしましょう。
それでは、実際に活用できるモデルトークを見ていきましょう。
現職の経験を生かして新たな分野で挑戦したい
回答例
「現職ではウエディングドレスのレンタルを手掛けているのですが、もっと演出面から携わることで、一生に1度という晴れの日をかけがえのないものにしたいという思いから転職活動を決意しました。商品に対する知識だけではなく、料理や演出面など、幅広い視野において感性も問われることが難しい点であると感じていますが、同時に1組1組の忘れられない思い出をプロデュースできると考えると、やりがいにもつながるという風に感じています。」
ポイント
応募する企業の業種経験が未経験であったとしても、今持ち合わせているスキルをどう応用することができるかをリンクして話すことが上手な受け答えの例です。ただし、「同じサービス業務をしていましたので。」と類似した業務の経験だけをピックアップしただけでは熱意に欠き、業務理解もできていないのではないかと感じ取られ、よいアピールに繋がりません。
まずは“現職(前職)と応募する企業の業務が違うということに理解を示している。”ということをしっかりと念頭に置いたうえで、どのような点に魅力を感じて応募して、今持っているスキルや知識をどのように活かしながら働くことができるかを伝えることができれば完璧です。
学生時代から興味のある職種だったから
回答例
「学生時代から飲料の商品企画の仕事をしてみたいという思いがありました。学生時代はコーヒーショップでアルバイトをして、“ひとつの飲み物でこんなに行列になるほど多くの人に幸せを与えることができるんだ。”と関心を抱いていました。そのため、独学ではありますがコーヒー豆の勉強をしたりもしました。また、社会人になってからは実際にエチオピアに旅行に行き、コーヒー豆栽培の現場を見学したりもしました。これらの経験も少なからず御社に役立たせることができればと思い、業務に関しては未経験でもありますが志望させていただきました。」
ポイント
応募するということは興味や関心があるのは大前提です。「この業種に以前から興味があったので。」だけではもちろんだめです。他のライバルたちも興味関心があって応募してきているわけですし、なおかつ未経験の分野への転職を考えているのであれば、経験者に比べて不利な立場に置かれます。そのため、熱意を伝えることはもちろん必要ですが、仕事をするにあたって必要と思われる知識を得るために努力したことや、役立たせることが出来そうな経験を+αで伝えることが重要です。
ただし、熱意というものは熱く伝えようとすればするほど長くなりがちなので注意が必要です。
個人的な経験から仕事への興味がわいた
回答例
「以前友人の誘いで登山に行ったとき、こんなにも多くの人が登山をしているのだと驚きました。また、登頂したときの感動や達成感はこれまでに味わったことがないくらいで、これからの登山人口を増やす貢献をしたいという思いとともに、登山の用品を多く製造している御社の商品をもっと世に広めたいという思いから志望させていただきました。」
ポイント
企業について全く知らないのに、夢だけを語ると不採用となる原因になりやすいです。特に、マスコミやメディア関係ではこのような夢だけを語る人が多い傾向にあるので要注意です。個人的な経験でも構わないので、少しでも職に繋がりそうな体験を話すことが必要です。ただし、その体験でも「感動した」だけでは、企業側に全く響きません。その中でもどのようにしてビジネスに貢献していきたいのかをはっきりと伝えることがポイントです。
まとめ
「どうしてこの仕事を選んだのですか?」という質問に対する回答で心掛けたいことは、その仕事に対する興味や関心、憧れだけでなく、自分自身がしてきた経験や今持っているスキル、知識をどのようにして活用していくことができるかを説明することです。上記のモデルトーク例を参考に、業務理解と仕事に対する行動意欲の高さをしっかりとアピールしていきましょう。